昨今、流行の「対話型鑑賞」。私も参加者としてのみであるが、何回か体験したことがある。この鑑賞法、確かにすごく斬新であるし、意義深いものであると思う。作品の「印象」を漠然と抽象的に抱いたままにするのではなく、その「根拠」を作品自体の中から探そうというスタンスには私も大賛成だ。そして、自身の抱いた「印象」を他者と語らい共有することで、お互いの「印象」や「解釈」が深みを増すというポジティブな効果も、体験の中で何度となく実感した。ただ、そこで終わってしまっては、せっかくの「対話」や「鑑賞」がどうしてももったいない気がするのは私だけだろうか?その先にもうワンステップあると、もっとこの「鑑賞法」が活きると思うのだ。それは、「作者の意図を考える」ということだ。「私や他者が作品をどう感じるか?」、「それは作品のどこに基づいているか?」という「対話」や「鑑賞」の先に、「なぜ作者はそれをそのように描いたのか?」という「考察」があると、より、この「鑑賞法」の意義は増すのではないだろうか?勘のいい方はお気づきだろうが、「前の二つ」と「最後の一つ」との間には、実は決定的な違いがある。「最後の一つ」だけ、「正解」が存在するのだ。もちろんその「正解」は、作者にきかなければ分からない。多くの場合、「考察」は「推測」の域を出ないだろう。それでも、私はこの「考察」に意味がないとは思わない。「みんなで一つの正解を目指し...
アートの記事
「対話型鑑賞」について思うこと
アート鑑賞に知識は必要か?
今日はちょっと硬めのお話です。アートの知識は、作品を鑑賞するのに必要なものなのでしょうか?それとも逆に、むしろ知識は邪魔なのでしょうか?私は「タイミングを踏まえた上で、知識は必要」だと思っています。では、その「タイミング」とは、一体いつなのでしょうか?エドガー・ドガの『エトワール』を例にとって考えてみましょう。
バスキア展 メイド・イン・ジャパン
11月17日まで森アーツセンターギャラリーで開催されている「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」に行ってきました。
オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち
今日から2020年1月13日まで開催されている、「横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」に行ってきました。
加藤泉展よかった!
原美術館の加藤泉展がすごくよかった!現代アートとして新鮮だったし、主張がありすぎず、気を楽にして見られた。とても気に入った。
伊庭靖子展 まなざしのあわい
現在、上野の東京都美術館で、「伊庭靖子展 まなざしのあわい」が開催されています。
コートールド美術館展
印象派やポスト印象派の殿堂、ロンドンのコートールド美術館からマネ、モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌなどの名作が多数来日しています。その中で、今回私が一番気になったのはこの作品でした。