印象派やポスト印象派の殿堂、ロンドンのコートールド美術館からマネ、モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌなどの名作が多数来日しています。
その中で、今回私が一番気になったのはこの作品でした。
エドガー・ドガ《舞台上の二人の踊り子》
1874年 / 油彩、カンヴァス
画面左下の大きな空間がまず目に飛び込んできます。光は右下から当たっているので、ここにもし人物がいると、逆光になってしまってあまり美しくないでしょう。
画面の右中央部に描かれた二人のバレリーナがとても親しげなのが、お互いの視線が合っているところからも察せられます。
二人は姉妹かもしれませんし、親しい友達同士かもしれません。
いずれにせよ、左の子が右の子に踊りを教えているようです。
当時、バレリーナはパリの暗部の象徴でした。多くの踊り子が貧しい家の出身だったため、舞踏場で富裕な男性に買われていったのです。
でもそのような暗さはこの作品にはなく、むしろ二人の無邪気さが前面に出ているようにも感じられます。
少しでも長く彼女たちに無邪気なままでいてほしい。
そんなことを願わずにはいられない作品だと、私には思えました。
猫とアートとスポーツカー
0コメント